2002年に発売したゲームの感想。

●元ネタっぽいの一覧(他にも色々ありそう)
・『水月』 川端康成 短編集より。寝たきりの夫に手鏡を見せて外の風景を見せるお話。
・『遠野物語』 柳田国男による岩手県遠野地方に伝わる逸話、伝承などを記した説話集。
・『古事記』 日本神話(イザナギ、イザナミとか)
・『伊勢物語【梓弓】』 平安時代の和歌集から。
・『胡蝶の夢』荘子による、夢の中の自分が現実か現実の方が夢なのか、といった説話
・イデア論→「学習とは、自身の経験を思い出す事である」(想起説)
・量子論とコペンハーゲン解釈→物事が観測された時点で決定される解釈の事(シュレディンガーの猫とか)

これからやる人は事前知識として量子論の部分だけでいいので蓄えておいたほうがいいと思う。
シュレディンガーの猫が有名なので現代ならなんだかんだで大丈夫そう。



---以下、感想 ※ネタバレあり---

○いろいろ解釈
・そもそものはじまり:那波の死→両想いであった主人公がそれを受け入れられず、記憶喪失となりゲーム開始時へ。
・記憶喪失の理由 → 事象の連続性に縛られない為(那波の後半哲学パートで出てくる奴)また、過去があると整合性が無いといけない為、那波を助けることが出来なくなる。
・記憶が戻ると? → 記憶を失った今の主人公が消えてしまう。
(一方で周りは記憶を取り戻して欲しいと願っているので二項対立の形。すき。)


●和泉ルート
あんま印象に残ってません…

●花梨ルート
最後に弓で射るシーンの「頑張れ、」が対比になっていてとても好き

●姉妹ルート
ゴリゴリの哲学。優しさとは何なのか?がテーマと勝手に思ってる。

●鈴蘭ルート
全部解決しちゃったよこの子…

●雪ルート
他のルートでの違和感が全部解消されて成る程、となった。
雪自身が周りから認識される事を強く望まなかったからああなった、と解釈したけど正直分からん。
『求められることで、人は存在することができますの。』

終わり方、もやっとしてて個人的にはあんまり好きじゃないです…

●那波ルート
最後、那波の一人称が「私」になっていて人間味溢れる姿が印象的。
元気になった那波と、これから主人公がどんな道を選んでいくのかを描いたもの(と思う)
ナナミの器としての牧瀬那波では無くなり、これから一人の人間として生きていく様を彷彿とさせる良いエンド。
ミステリアス黒髪ロングはいつの時代も板。

○水月からのメッセージ(独自解釈)
・過去も未来も不確かで、今だけが明確だから今を精一杯生きろって事
・全ルートクリアでタイトル画面がマヨイガに変わる演出、作中内でマヨイガは「世界が生まれる場所」と称されており、マヨイガがプレイヤーである我々の前に現れたという事は、つまりそういう事なんでしょうね。

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